◆ユングは四位一体・・・

三位一体の「位」はラテン語でpersona、そう思うとユングのペルソナにもまた違うニュアンスが・・・などといったことをYAHOO掲示板のユングコーナーに書いていたところ、ある方(chibowaさん)から・・・  

>ユングは三位一体ではなく四位一体を提唱、それは“父と子と精霊と・・・悪魔”で構成され、ユングの著作の『ヨブへの答え』等に記載が・・・

といったお話をいただきました。
 
日頃から不勉強で『ヨブへの答え』も読んでいないままなのですが、ユングが三位一体では我慢できなくて四位一体論を唱えているというのは面白いですよね。検索で調べるといろんなものが出てきましたが、その中にこんなものもありました。

http://www.l.u-tokyo.ac.jp/postgraduate/database/2006/456.html

本来、人にも神にも善悪は同居しているもの・・・その善のみを切り取って構築し、悪の居場所を抹殺した教義の体系は誤りということのようなのですが・・・「ヨブへの答え」はやっぱり必読書のようですね。

実は本も読まないままに・・・上記のリンクに出てくる最高善についてはこのブログでも勝手なことを書かせていただいておりますが、読み返してみると一応、善悪両面を備えたものとして書いておりますので、当たらずといえども遠からずといったところなのかもしれません。
ところで三位一体にまつわる雑感をいくつか・・・

◆中欧の街角で・・・

三位一体の中でも最も怪しいのが聖霊ですが・・・今年の「聖霊降臨祭」は5月27日、カソリック圏ではこの日を挟んで三連休の国が多いとのこと。
実は先週の一週間、ほんの駆け足でチェコ、スロバキア、ハンガリー、オーストリア・・・中欧四ヶ国を巡ってきたのですが、ちょうどこの「聖霊降臨祭」の連休とオーバーラップ。ショッピングセンターや美術館の類は閉店が多く、おかげで今回の旅行がよりピュアな観光になった気もします。

b0050634_2254306.jpgところで中欧のこうした国には、あちらこちらの街角に三位一体像があるらしいんですよね。そのうちのひとつの三位一体像の前に立ち、しげしげとモニュメントを見上げては見たのですが・・・どの部分が神で、どこが聖霊を表したものなのか・・・知識不足の私には結局よくわかりませんでした。

モニュメントだけでなく、絵画やイコンの形でも三位一体は表現されているようですが・・・キリストはともかく、神や聖霊を何によって象徴させるかでいろいろなバリエーションがあるようです。

◆中沢さんの「対称性人類学」では・・・

ユングは三位一体にあえて悪魔を同格で追加し、四位一体論を展開したようですが・・・宗教学者の中沢新一さんはまた別の方法で悪魔を取り扱っています。
中沢さん著「対称性人類学」によりますと、キリスト教では三位一体の中の聖霊(スピリッツ)の部分に、人で言うなら無意識の領域と同じように善も悪も、生も死も、あらゆるものが分離できない一体のものとしてたっぷり隠されている・・・これによりキリスト教は一神教でありながらも多神教にも似た成分を潜め持った特異なものとなっているのだと・・・

中沢さんの話はこれを切り口に現代の国際情勢にまで広がります。
同じ一神教であるイスラムが利息が利息を生むことを固く禁じているのに、キリスト教の土壌からは果てしなく利益を追求する資本主義が生まれ、しかもそれがグローバルスタンダードの名のもとに世界を席巻しようとしている。こんなことができるのは三位一体の聖霊の中に異質なもの(悪魔)がビルトインされているからだ。

キリスト教、資本主義、グローバルスタンダードの一神教連合が今人類を窮地に落としいれようとしている。それに対抗できるのは(悪魔を抑圧せず見える形で存在させ、それと調整できる)多神教をベースにしたものしかない!・・・と恐ろしいところに話が進んでいきます。

    なお中沢さんの「対称性人類学」については別掲記事が・・・

ユング、ペルソナ、三位一体、抑圧された悪魔の爆発・・・いろんな話をつなぎ合わせていくとどんどん深みに入っていきそうで、大変ですよね。(2007.6.7)
by c_mann3 | 2006-11-18 00:00 | ユングのすそ野の 風景 | Comments(0)
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